サカナクション山口「ライブチケットは売り切れないのが理想。『完売しないとダサい』という今の音楽業界の風習って良くないでしょ」

サカナクション・山口一郎さん、ライブ興行の課題と理想を語る

人気バンド「サカナクション」のボーカル山口一郎さんは、配信で現在のライブ興行の課題や自身の理想像について語り、話題となっています。

山口さんは、ライブチケットが“即日完売”する状況について、「うれしい反面、本当は良いことばかりではない」と指摘。経済的な余裕がないファンが無理をして購入してしまうケースがあることや、「焦らず買える環境が理想だ」と述べました。

今回のツアーでは当選率が約30％にとどまり、多くの人が参加できなかったことから、追加でKアリーナ公演を検討したものの、こちらも完売したと説明。「音楽業界には“ソールドアウトしないと評価されない”風潮がある」としたうえで、「売り切れていなくてもいいという価値観があっても良いのではないか」と述べました。

さらに山口さんは、ホールでのロングラン公演を提案。
3000人規模の会場でも4日間に分散して開催することで、より多くのファンが参加でき、観光や地域との交流も生まれると指摘しました。また、長期間の滞在によってスタッフの若手育成にもつながる可能性があるとしています。

公演会場の確保が難しく、首都圏に興行が集中する傾向については、「経費や移動の面で合理性はある」と理解を示しつつ、「各地で公演できた方が音楽事業全体にとって健全だ」と述べました。

フェス文化についても触れ、「持ち時間が短く表層的な表現になりやすい」と指摘。ミュージシャン自身が“分かりやすい曲”に寄せていく傾向が強まり、本来の音楽的な奥行きを伝えにくくなる懸念を示しました。

最後に山口さんは、「何が正解かは一概に言えないが、音楽を楽しむ本質をどのように未来へ伝えるかが問われている」と語りました。

https://www.yo※utube.com/watch?v=8a_7g2C3TRg
https://www.oanda.jp/lab-education/instruments/xauusd/