女だけど作曲したwww

「誰も判ってくれないんだ……」

「何も判っていなかったのね」

「イヤな事は何もない、揺らぎのない世界だと思ってた……」

「他人も自分と同じだと、一人で思い込んでいたのね」

「裏切ったな！僕の気持ちを裏切ったんだ」

「最初から自分の勘違い。勝手な思い込みにすぎないのに」

「みんな僕をいらないんだ……。だから、みんな死んじゃえ！」

「でも。その手は何のためにあるの？」

「僕がいても、いなくても、誰も同じなんだ。何も変わらない。だからみんな死んじゃえ」

「でも。その心は何のためにあるの？」

「むしろ、いないほうがいいんだ。だから、僕も死んじゃえ！」

「では、なぜここにいるの？」

「……ここにいてもいいの？」

「（無言）」

「ひっ……ひっ…………・・・うわぁぁぁぁぁぁーーーーーーっっっ！！！」

「夢って、何かな？」
「夢？」
「そう……夢」
━━━気持ち、いいの？
「判らない。現実がよく判らないんだ」
「他人の現実と自分の真実との溝が、正確に把握できないのね」
「幸せが何処にあるのか、判らないんだ」
「夢の中にしか、幸せを見いだせないのね」
「だからこれは現実じゃない。誰もいない世界だ」
「そう、夢」
「だから、ここには僕はいない」
「都合のいい、作り事で現実の復讐をしていたのね」
「いけないのか？」
「虚構に逃げて、真実をごまかしていたのね」
「僕一人の夢を見ちゃいけないのか？」
「それは夢じゃない。ただの現実の埋め合わせよ」
「じゃあ、僕の夢はどこ？」
「それは、現実のつづき」
「僕の現実はどこ？」
「それは、夢の終わりよ」

「…綾波、ここは？」
「ここはLCLの海。生命の源の海の中。A.T.フィールドを失った自分の形を失った世界。どこからが自分でどこからが他人か分からない曖昧な世界。どこまでも自分でどこにも自分がいなくなっている脆弱な世界」
「ぼくは死んだの？」
「いいえ、全てが一つになっているだけ。これがあなたの望んだ世界そのものよ」
「でもこれは違う。違うと思う」
「他人の存在を今一度望めば再び心の壁が全ての人々を引き離すわ。また他人の恐怖が始まるのよ」
「いいんだ。ありがとう」