【韓国】 お辞儀は日本文化？～「あいさつ」で自画自賛する日本

▲日本NHK放送で13日、頭を下げるあいさつを「日本式あいさつ」と紹介した。

ドイツのメルケル首相が2日（現地時間）、ゼーホーファー内相に握手を求めたが拒否された話を覚えていますか？世界的に新種コロナウイルス感染症(コロナ19)が拡散し、握手などの接触を避けようとする動きが拡散する渦中に起きたことです。英国保健当局は「社会的距離をおくこと」で国家次元で公式に握手行為を禁止せよと勧告し、フランス保健当局もあいさつがわりのキスである「ビズゥ」(bisou)をやめるよういいました。

このような状況で日本から思いがけない報道が出てきました。互いに接触せず、頭や腰だけ下げるあいさつ文化を自画自賛してこれを「日本式あいさつ」と強調した内容でした。

日本NHK放送は13日「コロナ19感染が拡大しながら握手も抱擁もしない代わりに、インターネットなどで接触を慎む新しいあいさつが注目されていている」と各国のあいさつ法に光を当てました。

該当報道では合掌するように両手をあわせて頭を素早く下げるタイ式あいさつ法であるワイ(Wai)、ヒジをあわせるあいさつ、中国を中心に拡散したつま先をあわせるあいさつなどを紹介しました。頭を下げるあいさつ法も一緒に扱いました。

問題は該当あいさつを「日本式あいさつ」と紹介した点です。

NHKは「日本式あいさつはお互いに頭を下げる行為でどこか謙虚さを感じさせる」として「文化に精通した専門家たちは非接触型日本式あいさつが世界の注目をあびるかも知れないと話す」と報道しました。

我が国と日本、中国などでよくする頭や腰を曲げるあいさつが本当に「日本式」あいさつ法でしょうか?一言で言えば由来を知ることは困難です。あまりにも広く深く根付いた文化だからです。

からだを曲げるあいさつは「チョル（お辞儀）」に該当します。チョルの辞書の定義はからだを曲げて敬意を表わすことをいいます。しかし、我が国でチョルがいつ始まり、原初的な形がどうだったのか知らせる具体的な文献記録はないといいます。

ただし、朝鮮世宗（セジョン）が作った仏教賛歌である「月印千江之曲」等、15世紀の文献に「チョル」が出てくるのを見れば、少なくとも15世紀以前からこの様な文化があったことと見ることができます。

中国の唐詩である杜甫の詩をハングル翻訳した「杜詩諺解」にも「チョル」という表現が登場するので、中国でもかなり古い文化と言えるでしょう。参考までに杜甫は700年代の人物です。

チョルをする人とチョルを受ける人の関係を上下関係と解釈して階級が分化した時期からあいさつができたらしい、との見解もあります。我が国は古朝鮮が誕生した青銅器時代から階層分裂が起きたといいます。壇君王建という支配者を中心に階級ができ、社会階層の文化現象の中の一つにチョル、すなわちあいさつができたということです。

チョルをする形のあいさつを東アジアだけの文化と見るのは難しく、人類普遍的文化という指摘もあります。歴史学者チョン・オヨン氏は18日、韓国日報との通話で「過去には神が天にいると考え、あなたより自分が低いことを表現するために身体を下げた。ヨーロッパでもひざまずいたり頭や腰を下げたりした」と説明しました。引き続き「身体を曲げるあいさつは全人類の普遍的な行為」として「日本人たちがチョルをするというのは東アジア的というより垂直的文化が強いことの表現にすぎない」と付け加えました。

ユン・ハンスル記者

ソース：韓国日報（韓国語）[つまらなくWhat] ‘あいさつ’自画自賛一日、からだ下げるあいさつが日本文化ですって?
https://www.hankookilbo.com/News/Read/202003181698052216