【岡山】ガチでイケメンすぎるDK、町おこしにラズベリー生産をはじめる

ウォールアートの前で、自ら企画したスムージーを手にする溝手悠太さん＝岡山県矢掛町小林で２０２０年８月２９日午後２時２８分、戸田紗友莉撮影

　旧山陽道の宿場町として栄え、今も当時の面影を残す岡山県南西部の矢掛町。高齢化に悩むこの街の魅力をＳＮＳ（ソーシャル・ネットワーキング・サービス）を通じて発信し続ける高校生がいる。
県立矢掛高３年の溝手悠太さん（１７）。「若い人が移住したくなるオシャレな街にしたい」と、地元の人も気付かなかったアイデアで新たな名産品や名所づくりに励んでいる。【戸田紗友莉】

ラズベリーは国内で６・９トン（１７年）しか生産されておらず、多くを輸入に頼っている。「矢掛で育てられたら名産としてブランド化できるのではないか」と考え、「矢掛ラズベリー」のチラシを作り、地元飲食店や住民に配って説明。
２０年春には実際に栽培できる土地が見つかり、６月に初めて収穫した。同時に広くラズベリーを知ってもらおうと、飲食店と一緒にスムージー「＃ＢＴＬベリー」を企画。ＳＮＳ映えを意識したオシャレなボトルに入れて１本５００円で売り出している。

　さらに、路地にある小さな店にも目を向けてもらおうと、町内約１０カ所に翼やドット絵の絵文字といったウォールアートを設置し、「矢壁（#yakabe）」と名付けた。こうした姿を地元住民も後押しする。町内で飲食店を営む今井由美子さんは「（溝手さんは）この町の魅力を発信してくれる矢掛の宝。礼儀正しく純粋で真面目なのでみんな応援している」と話す。