母ちゃんが風呂場で死んでるっぽいんだけど、どうすればええの？

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ヒロシに続け、キャンプのため山購入コロナ禍が後押し

アウトドアを楽しむため、個人で山を買うことへの関心が高まっている。近年のキャンプブームに加え、新型コロナウイルスの感染拡大に伴う環境の変化が背景にあるという。
兵庫県香美（かみ）町の山間部にある小代区。未舗装の林道を1キロほど進むと、サッカー場ほどのひらけた場所に木造小屋が立っていた。
「見える範囲が全て私たちの土地です」と上山恭平さん（29）。2年前に13万坪（約43万平方メートル）の山林を購入。その一部を「理想のキャンプ場」にしようと、妻の知沙子さん（28）とともに汗を流す。
生い茂った雑草を刈り、チェーンソーで木を伐採。重機の免許を取った恭平さんが小型のパワーショベルで整地する。独学で設計を学んだ知沙子さんが図面を引いた小屋は、知人の建築家の助けを借りながら約3カ月かけて建てたもの。薪を乾燥させる棚やドラム缶風呂も手作りし、現在はウッドデッキを製作中だ。
「理想のキャンプ場ってないよね」
自宅は大阪府堺市にあり、平日は恭平さんが会社員、知沙子さんがパートで働き、毎週末に車で3時間ほどかけて山を訪れ、テントに泊まり込む。時には親戚たちも駆けつけ、一緒に作業をする。
夫婦そろってアウトドア好きで、各地のキャンプ場を巡ったが、ふと「理想のキャンプ場ってないよね」と知沙子さんが漏らした。立地の良い人気のキャンプ場は区画が狭く、休日は混み合う。穴場のキャンプ場はトイレが汚いなど設備がいまいち。いいとこ取りをしたキャンプ場を自分たちで造れないか――。そんな会話がきっかけとなり、動き出した。
予算を300万円と決め、複数の仲介業者に相談。比較的平らで、車で乗り入れしやすく、過去に災害に遭っていないなどを条件に岡山や京都の山林を下見するなどし、香美町の物件に出合った。広さも十分で林道が整備され、何より眼下に広がる棚田の風景が気に入った。普段は迷いがちな恭平さんが「ここがいい」と知沙子さんに言って決まった。
価格は予算を大幅に上回る800万円。知沙子さんの両親に「キャンプ場にしたい」と相談したところ「面白い」と資金援助してもらえることになり、わずか3カ月で夫婦は山を購入した。
カフェ、コテージ、露天風呂……。「次は何をつくろう」と本やインターネットで調べ、時には地元の人や専門家の力を借りて形にしていく。「今は仕事があり、生活に困ってもいないので、オープンは急ぎません」と2人。「開拓」と呼んで楽しんでいる。
ソロキャンプの先駆けヒロシさんも購入
お笑い芸人のヒロシさん（48）も「人目を気にせず自分のキャンプをしたい」と昨年、首都圏にある山林を購入した。一人で楽しむソロキャンプの様子を撮影した動画を自身のユーチューブチャンネル「ヒロシちゃんねる」（登録者88万人）で公開。再生数は多い時で400万回にもなる。
購入から1年近く経っての感想は「メリットもデメリットも半々くらい」。伸びた雑草を刈る作業に追われ、キャンプに最適と思った場所がヒルだらけだった。それでも「自分の山では話しかけられたり、写真をせがまれたりしない。一人で静かに自然の中で過ごせる」と魅力を語る。
本格キャンプ熱の高まりにコロナ禍が拍車
「新型コロナを機に、キャンプ目的で山を買うことへの関心が異常に高まっている」と話すのは、山林売買仲介サイト「山林バンク」を運営する「マウンテンボイス」（和歌山県古座川町）の辰己昌樹社長（67）。2005年にサイトを開設し、当初は林業目的の購入が半数以上を占めた。近年のキャンプブームに加え、ここ数年は、私有の山林でキャンプをする動画が話題になるなどし、問い合わせは5月以降、前年の4倍以上の月400件を超えた。半数以上が個人でのキャンプを目的とした購入希望だった。
多くは首都圏や大阪、名古屋、福岡などの都市部に住み、自宅から2時間以内の山林を希望していた。
別の仲介サイト「山いちば」運営会社の比賀真吾社長（35）は「外出自粛でキャンプ場が閉鎖される中、『密』を避けて自分の山でキャンプをしたい人が増えている」とみる。同社で仲介する山林は1坪10円～5千円と様々。木材価格の下落で、相続時に山林を売却する人が増え、比較的安く買える環境にあるという。
一方で、キャンプに適した平らな土地や林道がある山は一部で、条件に合う山が売り出されるのを待つ人は少なくないという。
日本オートキャンプ協会（東京）によると、キャンプ場の運営に特別な許可は必要ないが、コテージのような宿泊施設を運営する場合は旅館業の、大規模な伐採をする場合は林地開発の許可が必要になるという。

主治医よべ