【新潟県警】長岡署員 11月に交通死亡事故　発表なし…スマホゲームアプリ通信記録　ながら運転指摘も「パニックになり誤って操作した」

昨年１１月、当時、新潟県の長岡署巡査部長だった男（４９）が長岡市内で交通事故を起こし、男性を死亡させていたことが分かった。元巡査部長は自動車運転処罰法違反（過失致死）の罪で在宅起訴され、１８日に地裁長岡支部（桐谷康裁判官）で開かれた初公判で、起訴内容を認めた。検察側は事故の時間帯に元巡査部長がスマートフォンでゲームアプリを操作した通信記録が残っていたことを明らかにし、遺族側は「ながら運転」の可能性を指摘している。

　起訴状などによると、元巡査部長は非番だった昨年１１月４日に乗用車を運転中、同市内の交差点を右折する際、横断歩道を歩いて渡っていた男性＝当時（６６）＝をはねた。男性は同１６日、脳挫傷などで死亡した。元巡査部長は本部長訓戒の処分を受け、今年１月３０日付で県警を辞職していた。

　事故当時、男性は軽傷だったとみられ、長岡署は事故を報道発表しなかった。交通事故統計の死者数にも含まれていない。

　初公判では、事故を起こしたとみられる時間帯に、スマホのゲームを操作した記録が残っていたことが問われた。元巡査部長は「被害者が倒れているのを見てパニックになり、通報しようと思って誤って操作した」と説明。「運転中に操作することは絶対にない」と述べた。

　閉廷後、遺族側は通信記録から４回の操作が行われた可能性を指摘し、「ながら運転だったのではないか」と疑問を投げ掛けた。６月８日の次回公判で被害者参加制度を使い、遺族側が質問する。

　県警監察官室は「当時、現職の警察官が交通死亡事故を起こしたことは重く受け止めている。職員の指導を徹底し、再発防止に努めたい」と語った。

2020/05/19 11:00 新潟日報
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