- 1 : 2025/03/01(土) 17:32:54.700 ID:fIwGDDeV0
- 猫宮「テニス部…入るか迷うわ、マジで…。姉ちゃんがやってたからって理由だけで入ってもなぁ…」
flashback・姉「らいちさ、テニスってさ、私には向いてねえんだよ。パパとママが喜ぶからやってるだけ。でもさ、お前なら…楽しめるんじゃねえの?」
猫宮「……楽しめるかぁ?私、才能ねえし。大阪じゃキャプテンやってたけど、関東来てから雑魚扱いだし…。虐待親父と毒母にも見放されてんだから、テニスくらいしかねえってのも情けねえよな」
- 2 : 2025/03/01(土) 17:34:00.320 ID:fIwGDDeV0
- 謎の声(顧問)「おい、そこのお前。何ボサっとしてんだ?」
猫宮「…誰だよ、アンタ。うぜえな、ほっといてくれ」
顧問「俺か?この明星中テニス部の顧問だよ。新入部員探してたら、お前がラケット持ってウロウロしてたから声かけただけ。どうだ、入る気あるか?」
猫宮「はぁ?テニス部?いやいや、私なんか足手まといだよ。大阪じゃそこそこだったけど、関東のレベル高すぎてついていけねえって」
- 3 : 2025/03/01(土) 17:34:47.525 ID:fIwGDDeV0
- 顧問「足手まとい?ハッ、うちはそれでもいいんだよ。ブランクありの奴らばっかで、そもそもまともな部員がいねえ。才能なんざ後からついてくればいい。お前、大阪でキャプテンやってたなら根性はあるだろ?」
猫宮「根性…ねえ。根性だけで勝てるなら苦労しねえよ。アンタ、元プロとか言ってるけど、どうせ落ちぶれだろ?」
顧問「お、お前…口悪いな!まぁいい、確かに落ちぶれだよ。プロ時代は名前も売れねえ三流だったしな。でもさ、だからこそわかるんだ。才能ねえ奴が這い上がる楽しさがよ」
- 4 : 2025/03/01(土) 17:36:00.996 ID:fIwGDDeV0
- 猫宮「……這い上がる、か。姉ちゃんもそんなこと言ってたっけな。いいよ、明日見学だけしてやるよ。それでクソつまんなかったら即辞めるから」
顧問「上等だ!見学でもなんでも来な。絶対後悔させねえからな!」
氷華「ねえ、あんたが新入部員?顧問が連れてきた子だよね。私、美鈴氷華。よろしくね!」(翌日、コートにて)
猫宮「…あ、うん。猫宮らいち。よろしく…って、見学だけだから入部はまだ決めてねえよ!」
- 5 : 2025/03/01(土) 17:36:51.702 ID:fIwGDDeV0
- 氷華「ふーん、見学かぁ。でもさ、あんたラケット持ってるし、絶対テニス好きでしょ?一緒にやろうよ。私、S2で頑張ってるからさ、あんたにもチャンスあるかもよ?」
猫宮「好き…かぁ?わかんねえよ。姉ちゃんの真似してただけだし…。でも、アンタ強そうだな。関東じゃ有名なん?」
氷華「えへへ、有名ってほどじゃないよ。でもさ、去年は関東ベスト8まで行ったから、今年は全国狙ってるの!あんたも一緒にどう?」
顧問「おい、氷華!新入りにプレッシャーかけんな!猫宮はまだ慣れてねえんだから、まずは軽く打たせてみろ」
- 6 : 2025/03/01(土) 17:37:22.802 ID:fIwGDDeV0
- 猫宮「…軽く、ね。まぁいいよ。やるだけやってみるか」
部員A「へぇ、新人か。どうせすぐ辞めるんだろ?うち、弱小だしよ」
猫宮「弱小?ならなおさらいいじゃん。雑魚同士なら私でもやれるだろ」
氷華「ほらほら、始めるよ!私から行くねー!」(バシッ)
猫宮「うわっ!(なんか楽しいかも…)」
- 7 : 2025/03/01(土) 17:37:59.165 ID:fIwGDDeV0
- 顧問「どうだった、猫宮?まぁまぁ楽しそうだったじゃねえか。入部する気になったか?」
猫宮「……まぁ、悪くねえかな。氷華って奴、いい奴そうだし。でもさ、この関東ってそんな甘くねえんだろ?桜乱って何だよ、みんなビビってんの?」
顧問「桜乱か…あそこは日本トップクラスの強豪だよ。部長の芽吹って奴が化け物でな。ジュニアでプロ並みの実力持ってる。うちが目指す全国への最大の壁だ」
猫宮「芽吹…?プロ並みって、マジかよ。私なんかが勝てるわけねえじゃん…」
- 8 : 2025/03/01(土) 17:38:47.963 ID:fIwGDDeV0
- 氷華「ねえ、猫宮ちゃん!芽吹のこと怖がらないでよ。私、アイツに負けたくないんだから!一緒に頑張ろうよ!」
猫宮「…負けたくない、か。姉ちゃんもそんな感じだったな。わかったよ、入部してやる。けど、私、弱いからな。足引っ張っても文句言うなよ?」
顧問「上等だ!お前が弱くても、俺が鍛えてやる。明星はジャイアントキリング狙うチームだ。芽吹だろうが何だろうが、ぶっ倒すぞ!」
猫宮「……ぶっ倒す、ね。姉ちゃん、見ててくれよ。私、テニスで何か掴んでやるから…」
- 9 : 2025/03/01(土) 17:41:16.982 ID:fIwGDDeV0
- 顧問「よし、猫宮が入部したってことで、今日から本格的に練習だ!お前ら、気合入れていけよ!」(翌日、明星中テニスコート)
猫宮「……本格的ねえ。私、テニスなんて大阪で適当にやってただけだし。何すりゃいいんだよ?」
氷華「猫宮ちゃん、まずは基本からだよ!ラケットの握り方とか、フォームとか、私が教えてあげる!」(ニコッ)
猫宮「握り方?フォーム?そんなの適当でいいだろ。昔やってた時はテキトーに打って勝ってたし」
- 10 : 2025/03/01(土) 17:42:06.540 ID:fIwGDDeV0
- 顧問「おい、猫宮!テキトーじゃ関東じゃ通用しねえぞ。大阪のゆるいレベルとは違うんだ。ここじゃ基礎が命だ」
猫宮「はぁ?ゆるいって何だよ。大阪だってそれなりに強かったんだからな!」
氷華「まぁまぁ、二人とも落ち着いて!猫宮ちゃん、とりあえず私とラリーしてみよ?感覚取り戻すにはそれが一番だよ」
猫宮「…ラリーか。いいよ、やったるわ。アンタが強いなら、私も少しはマシになるだろ」
- 11 : 2025/03/01(土) 17:43:03.064 ID:fIwGDDeV0
- 氷華「よし、行くよー!」(バシッ)
猫宮「うっ…!(速え…!でも…なんとか返す!)」(バコッ)
氷華「へえ、いいじゃん!感覚いいね、猫宮ちゃん!でもフォームぐちゃぐちゃだよ、それ直さないとすぐバテるよ?」
猫宮「はぁ…はぁ…確かにキツいわ。関東のレベルってこんなもんなの?私、死ぬぞこれ」
- 12 : 2025/03/01(土) 17:43:33.154 ID:fIwGDDeV0
- 顧問「死なねえよ、慣れだ慣れ。猫宮、お前感覚鋭いんだから、それを活かせ。フォームは後で俺がみっちり鍛えてやる」
部員A「顧問、そいつに期待すんの?どうせすぐ辞めるよ。弱小の明星じゃモチベ続かねえって」
猫宮「弱小だろうが何だろうが、私が入った以上はやるよ。文句あんならテメェが辞めろ」
部員A「んだと!?生意気な新人が…!」
- 13 : 2025/03/01(土) 17:43:58.300 ID:fIwGDDeV0
- 氷華「はいはい、ケンカしない!猫宮ちゃんも部員Aも、仲良くね。私たち、チームなんだからさ」
顧問「そうだ。うちは人数少ないんだ、団結しねえと勝てねえ。猫宮、お前が雑魚でも仲間だ。覚悟しろよ」
猫宮「……仲間、か。姉ちゃん以外の仲間って初めてだな。まぁ、やるしかねえか」
氷華「うん、やろう!猫宮ちゃん、私と一緒に芽吹倒すんだから!」
- 14 : 2025/03/01(土) 17:44:41.560 ID:fIwGDDeV0
- 猫宮「芽吹…またその名前か。どんだけヤバいんだよ、そいつ」
顧問「ヤバいなんてもんじゃねえ。桜乱の部長で、ジュニアじゃ敵なしだ。プロでも通用する化け物だよ」
猫宮「プロでも通用…?マジかよ。私なんかがそんなのに勝てるわけねえじゃん…」
氷華「勝てるよ!私だって去年負けたけど、今年は絶対リベンジするんだから。猫宮ちゃんも一緒に強くなろう!」
- 15 : 2025/03/01(土) 17:45:18.766 ID:fIwGDDeV0
- 猫宮「……強くなる、ね。姉ちゃん、私 にテニス楽しめって言ってたけどさ、楽しむよりキツいわこれ」
顧問「楽しむのは勝ってからでいい。まずは基礎だ、猫宮。フォーム直して持久力つけろ。関東じゃそれがなきゃ話にならん」
猫宮「持久力か…。わかったよ、やるよ。アンタらの期待裏切ったら姉ちゃんに申し訳ねえしな」
氷華「そーゆう意気込み大好き!猫宮ちゃん、私と一緒に全国行くよ!」(ニヤッ)
- 16 : 2025/03/01(土) 17:45:55.605 ID:fIwGDDeV0
- 猫宮「……全国か。夢みたいだな。私みたいな雑魚でも行けるのかよ」
顧問「行けるさ。俺がジャイアントキリングの策考える。お前らはそれ信じてついてこい」
部員A「顧問の策ねえ…。まぁ、新人がやる気なら付き合ってやるか」
猫宮「付き合うって上から目線うぜえな。まぁいい、私が這い上がって見せてやるよ。姉ちゃん、見ててくれ」
- 17 : 2025/03/01(土) 17:56:15.866 ID:fIwGDDeV0
- 顧問「よし、今日から特訓だ!猫宮、お前昨日バテてたからな。持久力とフォーム重点的に鍛えるぞ」(数日後、コートにて)
猫宮「特訓…?マジかよ、私まだ筋肉痛なんだけど。アンタ鬼か?」
氷華「鬼じゃないよ、優しい顧問だよ!猫宮ちゃん、私も付き合うから頑張ろ!」(ニコッ)
猫宮「優しいって…これが?まぁ、氷華が付き合うなら仕方ねえか」
- 18 : 2025/03/01(土) 17:56:55.394 ID:fIwGDDeV0
- 顧問「まずはランニングだ。コート10周走れ。持久力つけねえと関東じゃ即死だぞ」
猫宮「10周!?死ぬって!私、走るの苦手なんだよ!」
氷華「大丈夫、私も一緒に走るよ!ほら、行こ!」(ダッ)
猫宮「……チッ、仕方ねえな。姉ちゃん、私が走ってるの見たら笑うだろうな」(ゼエゼエ)
- 19 : 2025/03/01(土) 17:57:10.658 ID:fIwGDDeV0
- 部員A「新人、遅えな。こんなんで試合出れるわけねえよ」
猫宮「うるせえ!お前も走れよ、雑魚が!」
顧問「喧嘩すんな!部員A、お前も走れ。チーム全員で底上げするんだよ」
部員A「マジかよ…。新人のせいで俺まで…」(ブツブツ)
- 20 : 2025/03/01(土) 17:57:36.574 ID:fIwGDDeV0
- 氷華「猫宮ちゃん、走り終わったらラリーやろ!フォーム直すには実践が一番だよ」
猫宮「はぁ…はぁ…ラリーか。わかった、やるよ。どうせなら氷華に負けたくねえし」
顧問「その意気だ。猫宮、お前の感覚は悪くねえ。フォームさえ整えば化けるぞ」
猫宮「化ける…ね。姉ちゃん、私が化けたらビックリするかな」
- 21 : 2025/03/01(土) 17:57:58.816 ID:fIwGDDeV0
- 氷華「行くよー!」(バシッ)
猫宮「うっ…返す!」(バコッ)
氷華「いい感じ!でも猫宮ちゃん、腕もっと伸ばして!そうすればもっと楽に打てるよ」
猫宮「腕か…。こうか?」(バシッ)
- 22 : 2025/03/01(土) 17:58:18.824 ID:fIwGDDeV0
- 顧問「よし、少しマシになってきたな。猫宮、お前感覚鋭いから動き読むの得意だろ。それ活かせ」
猫宮「動き読む…?確かに、昔から相手の動き感じるのは得意だったかも」
氷華「それだよ!猫宮ちゃんの武器だよ!芽吹だって動き読まれたら焦るよ、きっと!」
猫宮「芽吹ねえ…。そんな大物に勝てる気しねえけどな」
- 23 : 2025/03/01(土) 17:58:38.206 ID:fIwGDDeV0
- 顧問「勝てるさ。俺が策考える。お前らはただ信じて鍛えりゃいい。明星はジャイアントキリングが目標だ」
部員A「策って…顧問の頭で勝てるのかよ。桜乱相手じゃ無理だろ」
猫宮「無理でもやってやるよ。私が入った以上、雑魚のままじゃ終われねえ」
氷華「そーゆう気持ち大好き!猫宮ちゃん、私たちで全国行こ!」
- 24 : 2025/03/01(土) 17:59:05.969 ID:fIwGDDeV0
- 猫宮「……全国か。姉ちゃん、私がそんなとこ行ったらどう思うかな」
顧問「姉ちゃん喜ぶさ。お前が頑張ってるの見りゃな。ほら、休憩終わり!次は筋トレだ!」
猫宮「筋トレ!?まだやるのかよ…死ぬって、マジで」
氷華「死なないよ!猫宮ちゃん、私と一緒に強くなろ!」(ニヤッ)
- 25 : 2025/03/01(土) 18:01:06.202 ID:fIwGDDeV0
- 顧問「よし、今日はいよいよ地区予選だ!相手は弱小の陽光中だ。初戦は楽勝だが、油断すんなよ!」(試合当日、コート脇にて)
猫宮「初試合…マジかよ。私、特訓したけどまだ自信ねえよ。負けたらどうすんだ」
氷華「大丈夫だよ、猫宮ちゃん!私と一緒にダブルス出るんだから。私がカバーするよ!」(ニコッ)
猫宮「ダブルス?私、シングルしかやったことねえよ。アンタと組むとか緊張するわ」
- 26 : 2025/03/01(土) 18:01:30.378 ID:fIwGDDeV0
- 顧問「緊張はいいがビビんなよ。猫宮、お前は後衛 で感覚活かせ。氷華は前衛で仕掛けろ。これが俺の策だ」
猫宮「後衛ねえ…。動き読むのは得意だけど、ミスったら氷華に悪いしな」
氷華「ミスってもいいよ!私、猫宮ちゃんのこと信じてるから。芽吹に勝つためにも、ここで勝ち癖つけよ!」
猫宮「……信じてるか。姉ちゃん以外にそんなこと言われたの初めてだな。やるしかねえか」
- 27 : 2025/03/01(土) 18:01:51.502 ID:fIwGDDeV0
- 陽光中A「へっ、明星か。雑魚同士の潰し合いだな。新人なんかに負けるわけねえよ」(試合開始前)
猫宮「雑魚呼ばわりかよ。ムカつくわ。絶対コイツらぶっ潰してやる」
氷華「そーゆう気持ち大事だよ!猫宮ちゃん、行くよー!」(バシッ)
陽光中B「お、お前ら意外とやるじゃん…!返すぞ!」(バコッ)
- 28 : 2025/03/01(土) 18:02:05.256 ID:fIwGDDeV0
- 猫宮「(動き…見える!こいつ、次は右だ!)」 「氷華、右だ!」(バシッ)
氷華「ナイス、猫宮ちゃん!」(ドンッ)
陽光中A「何!?動き読まれた…!?くそっ、次はこっちだ!」(バコッ)
猫宮「(また見えた…左だ!)」 「氷華、左頼む!」
- 29 : 2025/03/01(土) 18:02:19.965 ID:fIwGDDeV0
- 氷華「了解!」(バシッ) 「猫宮ちゃん、 感覚やっぱすごいね!私、楽チンだよ!」
猫宮「楽チンって…私、汗だくだよ。けど、なんか調子出てきたかも」
顧問「よし、その調子だ!猫宮、お前の感覚は武器だぞ。もっと自信持て!」
猫宮「武器ねえ…。姉ちゃん、私いま武器使えてるかな」
- 30 : 2025/03/01(土) 18:02:35.449 ID:fIwGDDeV0
- 陽光中A「くそっ…こいつら、弱小のくせにやりにくい…!なんとかしろよ!」(焦り声)
陽光中B「やってやるよ!」(バコッ)
猫宮「(来た…速いけど、見える!)」 「氷華、今だ!」(バシッ)
氷華「決めるよー!」(ドカッ) 「ゲームセット!やったね、猫宮ちゃん!」
- 31 : 2025/03/01(土) 18:02:55.557 ID:fIwGDDeV0
- 猫宮「はぁ…はぁ…勝った…のか?マジで?」
氷華「うん、勝ったよ!猫宮ちゃんの感覚のおかげだよ!最高のパートナーだ!」
顧問「初勝利だ、よくやった!猫宮、お前なら関東でもやれる。次もこの調子だぞ」
陽光中A「チッ…雑魚に負けるとかありえねえ…」(ブツブツ)
- 32 : 2025/03/01(土) 18:03:12.449 ID:fIwGDDeV0
- 猫宮「雑魚って言った奴、見返してやったぜ。姉ちゃん、私いまちょっとカッコいいだろ」
氷華「カッコいいよ!猫宮ちゃん、次はもっと強い相手だよ。私たちで芽吹に近づこ!」
猫宮「芽吹か…。まだ遠いけど、勝てる気がしてきたかも」
顧 問「その気持ち忘れんな。明星はここからだ。ジャイアントキリングの第一歩だぞ!」
猫宮「テニス部…入るか迷うわ、マジで」
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