中学生の時イジメられてた俺が自殺しようとしたけど踏み止まった話

1 : 2021/11/27(土) 13:52:09.675 ID:50GIG+/30
聞いてくれるか
2 : 2021/11/27(土) 13:52:40.750 ID:JYBhciZ60
聞いてどうすんだよ
4 : 2021/11/27(土) 13:53:19.296 ID:d4i2wWLd0
三行で頼むぜ
5 : 2021/11/27(土) 13:53:43.339 ID:50GIG+/30
今から20年以上前、俺が中2だった時の話

その頃、俺は「ああ女神さま」に夢中になっていた
コミックはもちろんOVAのLDも全巻購入、レーザーディスクプレイヤーもそのために頑張って購入した
好きだったのはベルダンディーで、井上喜久子さんのCDや、井上喜久子さんと冬馬由美さんともう一人なんとかさんの女神三姉妹ユニットのCDなんかも集めていた
当時俺は学校でなかなか派手にイジメられており、まあ現実逃避の手段にしていた訳だ
アニメを見たり彼女たちの歌声を聴いている間は、辛い現実を少しだけ忘れることができた

6 : 2021/11/27(土) 13:55:01.891 ID:e4s/gdjmM
虐めてくる奴をヤッテしまった
そして今は年収3000万稼ぐ勝ち組になった
7 : 2021/11/27(土) 13:55:09.955 ID:50GIG+/30
しかしそんな現実逃避にも限界があった
イジメに慣れるなんてことはなかったが、それでも繰り返されるにつれある程度どんなことをされるかが予想できるようになる
でもある日、そんな予想も上回るとても我慢できないような仕打ちを受けた
絶望のどん底で帰宅した俺、日課になっていた井上喜久子さんのCDをかける気力も湧いてこなかった
その日の俺の心はもうアニメやCDでは到底癒やすことはできないほど傷ついていた
もう死にたい、生きていたってしょうがない、と本気で思った
死ぬかどうするかウダウダ悩んだ末、もうベルダンディーに会うしかない、とトチ狂った結論を導き出した
アニメや漫画のベルダンディーじゃない、この現実世界で実際にベルダンディーに会う、そして救ってもらうのだ
連日のイジメにより心が壊れかけていた俺はもう現実を直視できなくなっていたんだろう
ではどうやってベルダンディーに会うか、俺はああ女神さまの舞台である猫実(ねこみ)に行くことにした
千葉県浦安市に猫実(ねこざね)という町があり、ああ女神さまの舞台はそこだと俺は考えていた
浦安の猫実に行けば、少なくとも今よりはベルダンディーに会える確率はあるはずだろうと、そう考えたのだ
8 : 2021/11/27(土) 13:55:26.931 ID:+OrSef3v0
感動した
9 : 2021/11/27(土) 13:55:58.802 ID:d4i2wWLd0
中学生のLD集めるとか金持ちの家だな
10 : 2021/11/27(土) 13:56:11.475 ID:50GIG+/30
そうして俺は5千円くらい入った財布だけもって家を出た
3時過ぎくらいだったろうか、住まいは横浜だったので浦安は中学生でも行けない距離ではなかった
親には買い物に行くとだけ言った
相鉄線で横浜駅に出て、東海道線で東京駅、そこから大手町まで歩き、東西線に乗った
道中はベルダンディーに会ったら何を話すかと、会えなかったらどうやって死ぬかを交互に考えていた
長旅を予想していたが、5時頃には浦安駅に着いていた
浦安駅の駅員さんに、猫実(ねこみ)はどっちですか?と聞いた
ああ猫実(ねこざね)ね、何丁目?と聞かれたが、何丁目かはもちろん知らない
猫実の方向に行ければいいんですが、と言うと、向こうの道路渡ったらもう猫実だよ、と教えてくれた
ほんのちょっと歩いただけで、もう猫実と表示される住宅街についた
11 : 2021/11/27(土) 13:58:42.105 ID:50GIG+/30
さて、ベルダンディーを探すか、と俺は辺りを見渡した
もちろん闇雲に探したってベルダンディーが見つかる可能性は低い
しかし俺にはちゃんと策があった
主人公の螢一とベルダンディー達は寺に住んでおり、また螢一は猫実工大に通っている
寺、もしくは大学を探せばベルダンディーに会えるだろうと、そう考えていた
とはいえそれらを地図を見て探そうとは思わなかった
そんな寺や大学が現実にはないことくらい、俺も本当は気づいていたのだ
でも俺は自分の身に奇跡が起きることに一縷の望みをかけていた
クラスの女子には菌が移る触るな寄るなと忌み嫌われ、男子には蹴倒され廊下を引きずり回される毎日
挙げ句の果には小便までかけられる
こんな辛い思いをしているんだ、もし神さまがいるのなら、今だけ俺のためにベルダンディー達のいる寺や猫実工大を用意してくれるかもしれない
そんな風には本気で思っていた
12 : 2021/11/27(土) 14:03:06.108 ID:kfgO+cOQM
猫実って工業地帯と住宅地で何もないからな
そりゃ聖地巡礼しても死にたくなるだろうな

あとその当時の横浜市内の相鉄沿線ってヤンキーは転がってたけどそんなに陰湿な感じはなかった気がする

13 : 2021/11/27(土) 14:03:30.546 ID:50GIG+/30
残念ながら猫実に大学はなかった
寺はあったのかもしれないが見つけられなかった
腕時計をみるともう7時を回っていた
見知らぬ土地をぐるぐる歩き回り、体力的にもかなり消耗していた
ゲームオーバーかに思われたが、しかし俺はもうひとつ別の策を思いついていた
公衆電話から、お助け女神事務所に電話をするのだ
原作を読んだことのある方はご存知かと思うが、主人公の螢一は一話の最初で出前を取ろうと電話をかけ、その番号のかけ違いでお助け女神事務所に繋がり、ベルダンディーと出会ったのだ
(そしてそれは偶然ではなく、資格ある人間が困ってる時に必然的に繋がるとかそんな設定だった)
テレフォンカードがもつ限り適当に電話をかけ、なくなったら買えるだけまたテレフォンカードを買おう
それでも繋がらなければ俺には女神に助けてもらう資格がないということだから、その時はもう死のう
そう思って俺は公衆電話の受話器を回し始めた
14 : 2021/11/27(土) 14:05:48.222 ID:kfgO+cOQM
プッシュでもダイヤルでもなく
受話器を回転させるのか
15 : 2021/11/27(土) 14:05:51.292 ID:50GIG+/30
市外局番は浦安のものにした
螢一は猫実工大の寮から近所の出前に電話をかけたのだから、お助け女神事務所は浦安の市外局番で繋がると考えるのが妥当だった
なかなか繋がらない電話、繋がっても男性や明らかに年配の女性の時は間違えましたと言ってすぐに切った
若い女性(かもしれない)が出たときもあったが、井上喜久子さんのあの何もかも包み込んでくれるような優しい声とは明らかに違っていた
それでももしかしたら他の女神かもしれないので、一応確認した
お助け事務所ですか?と(さすがに間に「女神」をつける事はできなかった)
え、なんですか?なに事務所?違いますけど、どちらさまですか?とトゲのある声で責め立てられ、俺はゴメンナサイと言って電話を切った
16 : 2021/11/27(土) 14:08:04.451 ID:50GIG+/30
心は折れかかっていたが、他に手段はもうない
追加でテレフォンカードを買ったかどうかは覚えていないが、その後もひたすらかけ続けた
その頃にはもう半ば諦めており、死について具体的に考え始めていた
もはや帰宅する気力もないし、帰ったところでこんなに遅くなった理由を両親になんて言っていいかも分からない
イジメられていることは両親には秘密にしていたし、もう考えると何もかもが面倒だった
そしてこの現実世界にも失望していた
理不尽に虐げられ、その上1ミリの救いもくれないこの世界に、心の底から失望していた
もうこの世に未練などなかった
死に方は飛び降りと決めていたので、それなりの高さのあるマンションでも探さなきゃなと考えていた
17 : 2021/11/27(土) 14:09:32.133 ID:65KfH2IL0
そしてスーパーサイヤ人になった俺はついに範馬刃牙を殺して幻影旅団に入団
さいしょは辛いこともあったが最後には吸血鬼になって指も失った
18 : 2021/11/27(土) 14:10:31.430 ID:50GIG+/30
しばらくして、再び若い(と思われる)女性と繋がった
最後の気力を振り絞って、すみませんお助け事務所ですか?と言うと、お助け事務所?違いますけどお助け事務所ってなんですか?
と逆に聞き返された
なんですか?と聞かれても答えようもなく、俺は黙り込んでしまった
もしもしイタズラ電話ですか?と聞かれたので、違いますと答えた
しばらくの沈黙の後、確か歳を聞かれ、14歳と答えたら、どうしたの?何か困ってるの?と優しく言われた
俺の声から何かを察したんだろう
その優しい声を聞き俺は一気に感情が溢れてしまい、学校でイジメられている事や今の状況を、途中からは泣きながら説明した
泣きながらもどこか冷静な部分もあり、今日の暴挙の動機がああ女神さまという漫画であることについては巧妙に伏せた
イジメを苦に自暴自棄になって家を飛び出し、あてもなく遠くにきて、誰かに助けてもらいたくて適当に電話をした、というストーリーにナチュラルに改変した
彼女は俺の説明が下手なときだけ簡単な質問をし、あとはうんうんと話を聞いてくれた
今浦安のどのあたりにいるの?と聞かれたので、猫実って書いてあります、と狙ってきたくせにさも今見たみたいにしれっと言った
猫実?何丁目?何が見える?と聞かれ、目に入った番地と今かけている公衆電話があるコンビニ名を答えた
待っててすぐ行くから、と電話が切れ、その15分後には彼女が現れた
(俺がかけていた市外局番は浦安市限定のものではなかったので、彼女がごく近く住んでいたのは奇跡だった)
19 : 2021/11/27(土) 14:13:48.012 ID:50GIG+/30
電話くれた子?と彼女が話しかけてきた
ベルダンディーでもウルドでもスクルドでもない普通の若い女性だった(後で聞いたが大学2年生だと言っていた)
会話は人を正気に戻すのか、俺はもう現実をちゃんと受け入れられるようになっていた
少し言葉を交わした後、ご飯食べてないでしょ、と近くのファミレスに連れて行ってもらった
そこでまた話を聞いてくれた
色々と意見やアドバイスもくれた
中学生の頃のイジメなんて一過性のものであるとか、イジメなんてする方が悪いとか、相手にすれば余計調子に乗るだけとか、一般的で当たり障りのないものばかりだったけども、20歳そこそこの女の子が赤の他人のために一生懸命考えて言ってくれたのだ
今思い返せば本当に感謝しかない
何が原因でイジメられるようになったか心当たりある?と聞かれたので、ニキビ面なのと、あと笑い方が気持ち悪いって言われます、と答えた
ニキビにはクロレラがいいよ、と彼女は教えてくれた
20 : 2021/11/27(土) 14:14:09.195 ID:kfgO+cOQM
1のプライバシーに配慮して



21 : 2021/11/27(土) 14:14:55.110 ID:KtIKG1KA0
ここまできてステマの可能性微レ存
25 : 2021/11/27(土) 14:19:04.086 ID:kfgO+cOQM
>>21
懐かしの自伝風SSだな
今時書くやつは珍しいけど
22 : 2021/11/27(土) 14:15:37.439 ID:50GIG+/30
途中から彼女がしきりに時間を気にしだしたのを覚えている
終電を逃せば彼女の手には負えなくなってしまう、俺にそろそろ帰った方がいいと言うタイミングを伺っていたのだ
俺は察しのいい子供だったので、今なら終電間に合いますかね、と自分から切り出した
10時を少し回ったくらいだったと思う
駅員さんに聞いてあげる、駅まで一緒に行こう、でもその前に家に電話した方がいいよ、と勧められた
心配してるだろうし、警察に言うかもしれないから、と
心配しているのは間違いないし、すでに警察や学校に連絡してしまっている可能性もある
理由は後で説明するにしても、今浦安にいてこれから帰るという旨は速やかに伝えなければならない
気は進まなかったが家に電話をした
たまたま姉が出たので、間違えて千葉の浦安にきてしまった、今から帰るので12時近くになる、両親に伝えておいてくれ、とだけ言って切った
24 : 2021/11/27(土) 14:18:40.955 ID:50GIG+/30
浦安駅の駅員さんに確認したら、今からなら十分帰れるとの事だった
彼女が何かあったら連絡ちょうだい、と電話番号が書いた紙を渡してくれた
お互い名前は特に名乗ってはいなかったが、紙には彼女のフルネームが書いてあった(その名前は今でも覚えている)
そして頑張ってね、と俺の手を握ってくれた
中学生にはそれだけで十分刺激的で、その手の温もりはその後ずっとイジメを耐える勇気になった
最後、ありがとうございました、とはちゃんと言えたと思う
帰りの電車の中、死にたい気持ちもベルダンディーに会いたい気持ちもすっかり消えていた
彼女が俺に言ってくれた言葉の数々や、手を握ってくれたことを何度も頭の中でリピートしていた
明日からもなんとか学校に行ってみるか、という気持ちになっていた
帰宅後、親にはもちろんこっぴどく怒られたが、秋葉原に買い物に行き(秋葉原にはLDの購入等でたまに行っていた)帰りに近道かと思ってJRではなく地下鉄に乗ったら迷って気がついたら浦安にいた、というストーリーはすんなり受け入れられた
26 : 2021/11/27(土) 14:19:51.405 ID:50GIG+/30
イジメは中3になる頃にはなくなっていた
高校、大学ではそれなりに学校生活を楽しむことができたので、俺の人格形成において当時のイジメが致命傷となることはなかった
あの後すぐに親に頼んでクロレラの錠剤を買ってもらった(そこそこ値のはる代物だった)
そのおかげだったのか、たまたま年齢的なもだったのかは分からないが、ニキビはすぐに良くなった
結局彼女に電話はかけなかった
なんとか元気でやっていることを一言でも伝えるのが礼儀だったのだろうとは思うが、当時は電話をかける勇気が出なかった
でもいざとなれば話を聞いてくれる人がいるというのはずいぶんと心の支えになった

あの日彼女に助けて貰えなければどうなっていただろうか、と思う
実行したかどうかは別にして、あの時は本気で死んでやるつもりだった
今でもあの時感じたこの世の中の理不尽さに対する激しい怒りと絶望感を思い出すことができる
でも彼女に出会い、俺はこの世の中にも救いがあることを知ることができた
そのおかげで人生を諦めることなくなんとか耐えることができた
ベルダンディーには会えなかったが、俺を救ってくれる人には会うことができた
そういう意味では、あの日あの公衆電話から俺がかけた電話はちゃんと女神お助け事務所に繋がったのだ

27 : 2021/11/27(土) 14:21:54.710 ID:50GIG+/30
子供がしまじろうのアニメを見ていて、すごい久しぶりに井上喜久子さんの声(しまじろうのお母さん)を聞き、この日の出来事を思い出した
やっぱり井上喜久子さんの声は最高に癒やされるわ
俺がしまじろうのお母さんの声に聞き耳を立ててるなんて妻も子供も思ってもいないだろうけども
あんなに夢中になっていたああ女神さまもいつからか読まなくなってしまったが、調べたらちょっと前に完結してたんだな
今度ネカフェでもいって読んでみよう

駆け足で書いたが以上

28 : 2021/11/27(土) 14:24:51.777 ID:SGShDddk0
探偵ナイトスクープに応募してお礼言いに行こうぜ!
29 : 2021/11/27(土) 14:26:00.017 ID:Hk5PNnQOd
ベルダンディは帝愛に入社した
30 : 2021/11/27(土) 14:30:37.160 ID:kfgO+cOQM
ああ女神様は序盤の変態原付きレース辺りがピークだった
31 : 2021/11/27(土) 14:49:56.282 ID:fJBB6KNEd
感動したわ
特にハロワに行くとこあたり

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