千葉大学のイメージ

https://digital.asahi.com/articles/DA3S14938098.html

癒やしの平安貴族、ふたたび　千葉雄大、「いいね！光源氏くん　し～ずん２」に主演

現代人とはテンポも価値観も違う“癒やし”の平安貴族、光源氏が帰ってきた。ドラマ「いいね！光源氏くん　し～ずん２」（ＮＨＫ、毎週月曜夜１０時４５分）が始まった。前作に続き、光源氏を千葉雄大が演じている。

　現代にタイムスリップした源氏物語の主人公・光源氏と、恋に積極的になれない会社員の藤原沙織（伊藤沙莉〈さいり〉）の同居生活を描くラブコメディー。昨年春に続く続編で、前作は最初の緊急事態宣言が出され、社会に不安が広がる中の放送だった。

　「『癒やされた』といった多くの声をもらいました。これほどの大反響は予想外でうれしかった。僕自身、平安時代と現代とのギャップに驚いたり、楽しんだりする光源氏をほほえましく見守ってくれる沙織との優しい世界観が好きなんです」

　光源氏は、今作も感情が動いた時に場所を選ばず和歌を詠む。初回の放送では、沙織の会社の上司・安倍課長（小手伸也）とのラップバトルならぬ「和歌バトル」も繰り広げられた。

　「和歌を詠むことは、以前より体に染みつきました。少し前までミュージカルに出演していた影響で、ビブラートを利かせてしまって……（笑）。反省です」。えぼし姿にも慣れて、「かぶり心地は最高です」と笑う。

　一方で、コミカルに寄り過ぎてしまえば、真剣に伝えたいメッセージは伝わらない。微妙なあんばいを意識して演じたともいう。

　今作は、光源氏の妻・紫の上が現代にいる疑惑が浮上し、さらに、沙織は米国帰りの会社の同僚・一条（一ノ瀬颯）に猛アプローチされる。また、生活上の現実的な問題に次々と直面していく。

　「前作は『好き』という感情を突き進みましたが、好きだけの気持ちではいけない現実ですよね。その壁にぶつかった時が今回の見どころだと思う。より、見てくれた人が共感しやすくなったと思います」

　千葉は３２歳。テレビドラマや映画などで活躍を続けているが、根底にはこんな仕事観がある。「社会にメスを入れるような作品でも、浮世離れした人物が登場するエンタメ作品でも、単に消費されるのではなく、人の心に残る仕事をしていきたい」

　自身がＭＣを務める音楽番組「ＭＵＳＩＣ　ＢＬＯＯＤ（ミュージックブラッド）」（日テレ系）で、ナレーターを務める藤井貴彦アナウンサーは、人の心に残る仕事をしている一人だと思っている。藤井アナは最初の緊急事態宣言時に「過去を変えることはできませんが、まだ２週間後の未来を変えることができます」といった言葉を残した。「ニュースの合間のご自身の言葉が素敵だな、と」

　柔和な表情の奥に隠れている気骨を強く感じた。